この前代未聞の撮影を指揮したのは、映画監督のデヴィッド・ドブキンだ。彼はかつて大ヒットコメディ映画『ウェディング・クラッシャーズ』を手掛けた人物であり、結婚式という特別な空間で巻き起こる人間ドラマの切り取り方を熟知していた。
ドブキン監督は、式場のステージ前に巨大な白い幕をセットし、バンドが機材を搬入・セッティングする間、ゲストから完全に姿を隠す手法を採用した。幕の裏で息をひそめるバンドメンバーと、何が始まるのか戸惑う参列者。幕が落とされた瞬間に爆発する歓声と涙は、ハリウッド映画仕込みの仕掛けが生み出した最高のドキュメンタリーだった。