3年に1度、海を舞台に繰り広げられる瀬戸内国際芸術祭の熱気は、島々から高松の港へ、そして商店街の奥深くに位置するこの美術館へと波及する。直島や豊島を巡るアートツーリズムの起点として、国内外から訪れるキュレーターやコレクター、旅人たちにとって、高松市美術館は航海の羅針盤のような役割を果たしている。
文化庁が推進する地域文化発信の文脈においても、美術館が果たす経済波及効果は計り知れない。鑑賞を終えた旅行者が周辺の老舗うどん店に立ち寄り、地元産の食材を味わい、四国のカルチャーを体験する。アートが単なる鑑賞物にとどまらず、観光産業の強固なエンジンとして機能している実例がここにある。