彼女のメディア戦略における最大の転換点は、自己表現の場を従来のテレビから自前のプラットフォームへとシフトさせたことだ。かつて些細な日常の投稿でネットの標的にされていたAmebaブログから、Instagram、そして公式YouTubeチャンネルである辻ちゃんネルの開設へと歩みを進めた。
辻ちゃんネルで見せる姿は、驚くほど無防備だ。巨大な寸胴鍋で大量の豚汁を作り、洗濯物の山にため息をつき、すっぴんで夕食作りに追われる。飾り立てないその生活感は、アンチを熱烈なファンへと変貌させた。デジタル空間において自らの生活を解放した彼女は、日常の混沌を肯定するカリスマへと登り詰めたのである。