近年、歴史的建築物や築100年を超える大正・昭和の邸宅をリノベーションした店舗が次々と登場している。重厚な梁や繊細な格子戸を残した空間は、一歩足を踏み入れるだけでタイムスリップしたかのような心地よい緊張感を与えてくれる。
こうした古民家レストランで振る舞われるのは、地元農家から直接届く無農薬・減農薬野菜を主役にした旬の和食だ。伝統的な羽釜でじっくり炊き上げたツヤツヤのご飯と、自家製味噌を仕込んだ温かい汁物。派手な装飾を削ぎ落とし、素材そのものが持つ「力強さ」を活かした料理は、日々の忙しさに追われる現代人の心と身体をじんわりと解きほぐしていく。