肉蝮が猛威を振るったのは、単行本7巻から9巻にかけて収録された屈指の人気エピソード『ヤンキーくん編』です。このエピソードでは、元暴走族のリーダー・愛沢浩司(あいざわこうじ)や、情報屋の戌亥、そして丑嶋を巻き込んだ血みどろの抗争が描かれました。
愛沢から金を脅し取ろうとした肉蝮は、その過程で丑嶋の存在を知り、ターゲットをカウカウファイナンスへと変更します。肉蝮の行動原理には損得勘定が存在せず、純粋な加虐心と破壊衝動だけで動くため、ヤクザ組織や警察の威嚇すら全く通用しませんでした。
愛沢の仲間を凄惨なリンチにかけ、丑嶋の事務所や関係者を執拗に脅かす肉蝮の暴走は、作中屈指のサスペンスを生み出しました。理屈が通じない「絶対悪」としての存在感は、読者のみならず丑嶋自身にも強い危機感を抱かせることになります。