五十嵐淳子の魅力は、完璧なビジュアルだけではありません。彼女の名を演技派女優として不動のものにしたのが、数々の名作ドラマでの好演です。なかでも代表作として名高いのが、向田邦子脚本の不朽の名作ドラマ『阿修羅のごとく』(NHK)です。
四姉妹の愛憎と家族の葛藤を描いた同作で、五十嵐淳子は四女・咲子役を熱演。奔放でありながらもどこか脆さを抱えたボクサーの愛人という難役を、繊細かつ情熱的な演技で見事に表現し、ドラマ賞レースでも極めて高い評価を獲得しました。長女役の八千草薫、次女役のいしだあゆみ、三女役の風吹ジュンといった錚々たる名女優たちの中でも、彼女が放つ独特の艶やかさと存在感は際立っていました。
その他にも、デビュー間もない頃に出演した青春ドラマや刑事ドラマ、時代劇に至るまで幅広いジャンルで活躍。可憐なヒロインから影のある妖艶な大人の女性まで演じ分ける表現力の幅広さが、彼女のキャリアを確固たるものにしました。