作中で描かれる「5億年」という数字は、単なる誇張ではなく、現実の天文学や地球科学においても極めて重大な意味を持つ時間スケールです。
地球科学の予測によれば、今から約5億年後の地球は、太陽の光度が徐々に増大することで地表温度が上昇し、大気中の二酸化炭素濃度が激減するとされています。その結果、植物の光合成が困難になり、複雑な多細胞生物や高等動植物が生存できる限界期を迎えると推測されています。つまり「5億年」とは、地球上の生命の歴史が大きく幕を閉じるほどの超長期スパンなのです。
人間一人の精神がそのレベルの歳月を孤独に耐え抜くことの不条理、そして「記憶が消去されるなら、過去の自分がどれほど苦痛を味わおうと無関係なのか?」という自己同一性のパラドックス。この作品が単なるネタマンガの枠を超え、現代の哲学界隈やネットの考察班から熱狂的に支持される理由は、まさにこの深遠な問いかけにあります。