二人の関係性を語る上で最大のターニングポイントとなったのが、2026年8月から9月にかけて上演された舞台『Le Fils 息子』での共演です。世界的な劇作家フロリアン・ゼレールの名作において、圭人は絶望と葛藤のなかに生きる息子・ニコラ役、健一はその苦悩に直面する父親・ピエール役を務めました。
実の親子が舞台上でリアルな親子を演じるという試みは演劇界で大きな話題を呼びました。稽古場では「親子」という甘えを一切排除し、厳格な共演者・ライバルとして対峙したと言います。健一は息子の演技に対して妥協のない厳しい視線を注ぎ、圭人もまた全身全霊で名優である父にぶつかり合いました。結果として、観客や演劇評論家から絶賛を浴び、圭人はこの共演を通じて「岡本健一の息子」という肩書きを脱ぎ捨て、一人の自立した舞台俳優としての評価を決定づけました。