レシピ本の中でとりわけ異彩を放ち、誰もが挑戦したくなるのが初期の名物メニューだ。第1話で登場する「なんちゃってローストポーク」は、蒸したジャガイモと炒めたエリンギを厚切り豚バラ肉で包み込んで焼き上げる一品。外側のカリッとした香ばしさと、内部のフワッとした質感、キノコの歯ごたえが三位一体となり、肉単体よりも満足感の高いご馳走へと昇華する。
また、「化けるふりかけごはん」の仕込みも見事というほかない。冷やすと固まる鶏出汁のゼラチン(煮こごり)をアツアツのご飯に乗せることで、溶け出した濃密な旨味が米一粒一粒を包み込む。こうした「日常の食材を使ったマジック」の種明かしと実践法が、分かりやすい写真とともにステップ・バイ・ステップで解説されているのだ。