私たちが日常的に口にする「万歳(ばんざい)」という言葉は、文字通り「一万年の寿命」すなわち「永遠の繁栄と長寿」を意味しています。万歳の語源と由来は古代中国に遡り、皇帝の長寿を寿ぎ、国家の永続を祈る際に臣下が「万歳、万歳、万万歳」と叫んだ儀礼に端を発します。
日本にこの概念が伝わったのは平安時代のことです。宮廷儀礼の場において天皇の治世を讃える言祝ぎ(ことほぎ)の言葉として用いられ、当時は「ばんぜい」や「まんざい」と発音されていました。時代の変遷とともに、単なる長寿祈願にとどまらず、慶事全般を全員で寿ぎ、喜びを分かち合う言葉として定着していきました。
現在行われている万歳三唱の意味は、単に「おめでとう」を3回繰り返しているわけではありません。1回目で「対象者の栄誉・健康」を、2回目で「その場に集う組織や団体の発展」を、3回目で「社会全体の安寧と未来」を祈念するという重層的な祈りが込められています。