現代のポップカルチャーにおいて、岡田以蔵は「影のある憂いを帯びた美青年剣士」として描かれるケースが目立ちます。ネット上で囁かれる「イケメン説」の真相はどうなのでしょうか。
当時の一次史料や証言を精査すると、以蔵の容貌について「美男子」と記された記録は見当たりません。むしろ「頑健な体格」「鋭い眼光を持つ無骨な剣客」といった、実戦型武芸者としての荒々しい風貌を伝える描写が中心です。
イケメンというイメージが定着した最大の要因は、司馬遼太郎の短編小説『人斬り以蔵』以降のメディア展開にあります。歴代の映画やテレビドラマで主役級の俳優が演じ、近年のスマートフォン向けゲーム等でスタイリッシュなビジュアルが与えられた結果、後世のパブリックイメージとして美化・再構築されたというのが真相です。