看板メニューである手打ちパスタ(パスタ・フレスカ)は、まさに職人技の結晶だ。小麦粉のブレンドから加水率、熟成時間に及ぶまで、その日の気候や湿度に合わせて微細な調整が施される。口に運んだ瞬間に広がる小麦の力強い風味と、ソースを見事に抱え込む絶妙な歯ごたえは、一口で食べる者を幸福感で満たす。
シェフ自らが信頼する生産者や市場から仕入れる季節の食材も欠かせない要素だ。春の芽吹きを感じさせる山菜のほろ苦さ、夏の太陽を浴びた野菜の濃密な甘み、秋の薫り高いキノコ、そして冬の旨味が凝縮したジビエ。イタリアの伝統的な郷土料理の技法を根底に置きながらも、日本の四季の移ろいを繊細に表現する料理の数々は、何度訪れても新たな驚きを与えてくれる。