星由里子さんの名を日本映画史に永遠に刻みつけたのが、1961年にスタートした『若大将シリーズ』です。加山雄三さん演じる主人公・田沼雄一(若大将)の恋人である澄子(澄ちゃん)役を務め、シリーズ第1作『大学の若大将』から1968年の『リオの若大将』に至るまで、通算11作にわたってヒロインを務め上げました。
澄子は単なる従順なマドンナではありませんでした。若大将の優柔不断さに時には頬を膨らませて嫉妬し、誤解からすれ違いながらも最後には深い愛情で結ばれるという、等身大で芯の強い自立した女性像を好演。この人間味あふれるチャーミングなキャラクターが、観客の共感を猛烈に呼び起こしました。
撮影現場における加山雄三さんとの息の合ったコンビネーションは阿吽の呼吸であり、二人が織りなす爽やかな恋愛模様はまさに昭和の高度経済成長期を象徴する明るい光そのものでした。若大将シリーズの爆発的ヒットによって、星さんは名実ともに「日本中のお茶の間が憧れる国民的ヒロイン」としての地位を不動のものにしたのです。