肝炎のかゆみがさらに激しくなり、皮膚や白目が黄色く濁ってくる症状を「黄疸(おうだん)」と呼びます。黄疸は、赤血球が分解される際に生じる黄色い色素「ビリルビン」を肝臓が適切に処理できなくなり、血中にあふれ出ることで発生します。
黄疸が現れる段階になると、胆汁の流れは著しく阻害されており、皮膚のかゆみもピークに達します。夜も眠れないほどの激痛に近いかゆみに襲われ、無意識に皮膚を掻きむしって血のにじむ傷を作ってしまう患者も少なくありません。
慢性肝炎を長年放置すると、肝細胞が線維化して硬くなる肝硬変へと進行します。肝硬変におけるかゆみの特徴は、通常の皮膚炎と異なり「体の中心部から四肢の先まで全身に広がる」「入浴後や就寝前の体温上昇時に一段と悪化する」といった傾向があります。また、腹水(お腹に水が溜まる)や足のむくみ、意識がもうろうとする肝性脳症などの重篤な症状を併発するリスクがあるため、一刻を争う医療介入が必要です。