時代を超えて「伝説の美男子」と語り継がれる背景には、単にパーツが整っているという物理的特徴を超えた、複合的な視覚的・心理的要因が存在します。
まず挙げられるのは、ネイティブアメリカン(チェロキー族)の血を引くことに由来する、彫りの深いシャープな骨格と高い頬骨、そしてどこか憂いを帯びたダークブラウンの瞳です。80年代後半から90年代初頭のハリウッドで主流だったアーノルド・シュワルツェネッガーらに代表される筋骨隆々のマッチョイズムに対し、彼の持つ中性的で儚げな佇まいは、極めて新鮮かつ衝撃的なオルタナティブとして映りました。
さらに、彼特有の無造作なグランジ・ファッションと退廃的なアティテュードが、その美貌に深みを与えていました。仕立ての良いスーツを嫌い、ボロボロの古着のネルシャツ、擦り切れたレザージャケット、無造作に伸びた黒髪、タトゥーといったスタイルを自らのアイデンティティとして貫いた姿は、当時のユースカルチャーと完璧に共鳴したのです。
「自分を美しく見せようとしない」という無頓着さそのものが、逆説的に彼の圧倒的な造形美を際立たせる結果となりました。媚びない反骨精神が滲み出る表情こそが、世界中のファンを虜にした最大の理由と言えます。