ファンを最も悶絶させ、そして涙させたのが、ハチ(小松奈々)との短くも熱烈な恋だ。互いに傷を抱えた二人が惹かれ合い、結ばれた瞬間は、作中屈指の温かい幸福感に包まれていた。しかし、その幸せはあまりにも儚く崩れ去る。
突然の妊娠発覚と、それに伴うタクミの介入。若く無力だったノブは、覚悟と圧倒的な現実的な力を見せつけるタクミを前に、ハチを引き止めることができなかった。一見するとノブの優柔不断さや力不足に見えるこの局面だが、真相は「ハチの幸せを第一に願うがゆえの身引き」という、あまりにも苦い愛の形だった。自分がハチと生まれてくる子供を養いきれるのかという生々しいリアリティが、彼の足をすくませたのだ。