これほど猛烈な批判を浴びながらも、全156回の平均視聴率は20%超えを維持し、最高視聴率は24.5%をマークしました。その理由は、本作が単なる炎上ドラマではなく、圧倒的な筆力で描かれた「神回」を多数内包していたからに他なりません。
特に鈴愛が上京して飛び込んだ漫画家修業時代(オフィス・ティンカーベル編)は、現在でも朝ドラ史に残る傑作パートとして語り継がれています。
偏屈だが愛の深い天才漫画家・秋風羽州を怪演した豊川悦司、秘書・菱本を演じた井川遥、アシスタント仲間のボクテ(志尊淳)やユーコとの濃密な青春群像劇は、視聴者の心を鷲掴みにしました。鈴愛が失恋の痛みをネームに昇華させてプロデビューを勝ち取るシーンは、クリエイターの狂気と情熱を見事に描き切った名場面です。
そして何より、当時わずか18歳だった永野芽郁の底知れない演技力が作品を牽引しました。どれほど脚本のセリフが尖っていても、喜怒哀楽を全身で表現するピュアな存在感によって、鈴愛という特異なヒロインを魅力的なキャラクターとして成立させていた点は、批評家からも絶賛を集めました。