石井大裕の魅力を語る上で、切っても切り離せないのがテニスプレイヤーとしての苛烈な半生だ。幼少期からラケットを握り、日本テニス協会の強化選手としても将来を嘱望された。ジュニア時代には海外遠征を繰り返し、世界の強豪相手に汗を流した経験が彼の骨格を作っている。
特に大きな影響を与えたのが、日本テニス界の至宝・松岡修造氏との出会いだ。修造熱血塾などで叩き込まれた「弱心を捨て、1球に魂を込める」スピリットは、現在の取材活動にも脈々と受け継がれている。世界を渡り歩き、ATPツアーの厳しい世界に挑んだものの、激しい怪我の試練に見舞われプロの道を断念。だが、コート上で流した涙と葛藤こそが、後にアナウンサーとしてアスリートの痛みに寄り添う最大の武器となった。