法廷ドラマを鑑賞する際、実際の司法手続きとの「リアル度」に着目すると、各作品の狙いがより明確に見えてきます。
実際の日本の法廷では、アメリカの法廷劇のように弁護士や検察官が陪審員の前で大声で演説したり、裁判の席で突然新たな証拠を突きつけたりすることは原則としてありません。日本の裁判実務は事前の証拠開示や書面審理が中心であり、法廷は静粛かつ淡々と進行するのが日常です。
その点で比較すると、『99.9-刑事専門弁護士-』は徹底した現地調査や科学的検証のプロセスを丁寧に描きつつ、実務のリアルさとドラマ的演出を巧みに融合させています。実際の刑事弁護士が監修に入り、現場の検証実験を重ねて「0.1%の綻び」を見つけ出す描写は、実務家からも高い支持を得ています。
一方、『リーガル・ハイ』や『HERO』は、現実の法廷作法からは意図的に外れた大胆な演出(法廷内での激しい主張や突飛な証拠提出)を取り入れることで、圧倒的なエンターテインメント性を生み出しています。リアルさを追求した骨太な法廷劇か、虚構ならではのダイナミズムを楽しむ痛快劇か、好みに応じて選ぶのが賢明です。